一般会計
歳入総額459億448万9千円、歳出総額447億9,099万3千円で、形式収支及び実質収支とも黒字決算となっているが、前年度の実質収支を差引いた単年度収支と、積立金等を加味した実質単年度収支は赤字決算となっている。
歳入面における額の大きいものをあげると地方交付税、市税、市債、県支出金、国庫支出金などである。 自主財源は127億2,237万9千円で、前年度と比較すると、額で15億4,350万7千円の増、率で13.8%の伸びを示し、歳入全体に占める割合は27.7%と3.3ポイントの増となっている。
この数字のみで見ると、財政状況は改善されているように見えるが、国の三位一体の改革にかかる税源移譲等による市税の増分約3億7,343万円と、基金の取崩しによる繰入金の増分6億6,129万円と他会計繰入金の増分6億1,484万円を合わせると、単純計算で約16億4,956万円となる。
一方、国から直接交付される地方交付税や地方譲与税など11科目の合計額は、221億4,087万円となっており、前年度と比較すると15億4,277万円の減額、率で93.5%となっている。
市にとって歳入の根幹をなす市税は59億6,278万9千円で歳入全体に占める割合は13.0%となっている。市税の徴収率は90.1%で昨年より0.8ポイント低下しており、収入未済額は6億3,831万3千円となっている。また、不納欠損額は1,858万5千円で市税の調定額に対し0.3%となっている。
前年度と比較すると収入未済は率で21.4%、額で1億1,234万7千円の増、不納欠損は率で41.5%、額で1,317万7千円の減となっている。
なお、市税のほかにも自主財源の収入未済額は5,152万5千円となっており、前年度と比較すると率で20.2%、865万2千円の増となっている。
自主財源のうち、保育料の収入未済額は、平成11年度分からの合計で1,207件、1,190万7千円となっており、前年度より114万2千円増加している。また、収納率は96.3%である。
住宅使用料の収入未済額は、平成8年度分からの合計で、2,142件2,986万1千円となっており、前年度より465万1千円増加している。また、収納率は87.6%と著しく低い。
自主財源の安定的な確保と市民の税負担等の公平性の堅持からも、普段からの未納防止と滞納整理に努力されたい。
市税の収入未済額及び徴収率の推移
収入未済額(千円) | 徴収率(%) | |
---|---|---|
16年度 | 388,346 | 93.1 |
17年度 | 448,584 | 92.5 |
18年度 | 525,967 | 90.9 |
19年度 | 638,313 | 90.1 |

その他自主財源の収入未済額及び収納率の推移
収入未済額(千円) | 徴収率(%) | |
---|---|---|
16年度 | 37,353 | 98.9 |
17年度 | 33,066 | 98.9 |
18年度 | 42,872 | 98.5 |
19年度 | 51,525 | 98.1 |

歳出の目的別内訳の主なものは民生費19.2%、公債費17.2%、総務費16.8%、衛生費10.2%、土木費9.7%、農林水産業費8.6%、教育費8.3%となっている。また、性質別内訳の主なものは、人件費21.0%、普通建設事業費18.3%、公債費17.5%、物件費13.6%、繰出金10.0%の順となっている。
特別会計
佐渡市の13特別会計の歳入総額は315億4,266万3千円、歳出総額308億7,144万6千円で形式収支及び実質収支は黒字決算であるが、前年度の実質収支を差引いた単年度収支と積立金を加味した実質単年度収支は赤字決算となっている。
国民健康保険税(料)の収入未済額と収納率の推移
国民健康保険特別会計における保険税(料)の収入済額は17億1,948万5千円で収納率は87.4%、歳入総額に占める割合は22.3%である。収入未済額は2億3,842万9千円、不納欠損額1,049万8千円となっている。
収入未済額(千円) | 徴収率(%) | |
---|---|---|
16年度 | 188,753 | 89.9 |
17年度 | 199,258 | 88.1 |
18年度 | 215,714 | 87.6 |
19年度 | 238,429 | 87.4 |

介護保険料の収入未済額と収納率の推移
介護保険特別会計における保険料の収入済額は8億7,326万5千円、収納率は98.6%で、歳入総額に占める割合は14.7%である。収入未済額は1,131万8千円、不納欠損額は88万7千円となっている。
収入未済額(千円) | 徴収率(%) | |
---|---|---|
16年度 | 6,013 | 99.1 |
17年度 | 6,603 | 98.9 |
18年度 | 10,434 | 98.8 |
19年度 | 11,318 | 98.6 |

簡易水道会計における使用料及び手数料の収入未済額及び収納率の推移
簡易水道特別会計における使用料及び手数料の収入済額は4億2,085万7千円で収納率は99.4%、歳入総額に占める割合は19.3%である。収入未済額は229万5千円で、調定額に対する割合は0.5%となっている。
収入未済額(千円) | 徴収率(%) | |
---|---|---|
16年度 | 2,468 | 99.4 |
17年度 | 3,378 | 99.2 |
18年度 | 3,073 | 99.3 |
19年度 | 2,295 | 99.4 |

下水道会計における分担金及び負担金、使用料及び手数料の収入未済額及び収納率の推移
下水道特別会計における分担金及び負担金、使用料及び手数料を合わせた収入済額は6億9,296万7千円で収納率は90.1%、歳入総額に占める割合は11.7%である。収入未済額は7,575万4千円で、調定額に対する割合は9.8%となっている。うち分担金及び負担金の収納率は、69.0%と著しく低く、収入未済額は6,869万円で、昨年より580万8千円増加している。また、使用料及び手数料の収納率は98.6%で、収入未済額は706万4千円で、昨年より159万7千円減額となっている。
なお、下水道特別会計への一般会計からの繰入金は17億927万5千円と、歳入全体に占める割合は28.9%となっている。
収入未済額(千円) | 徴収率(%) | |
---|---|---|
16年度 | 24,373 | 95.8 |
17年度 | 24,095 | 96.5 |
18年度 | 71,543 | 91.2 |
19年度 | 75,754 | 90.1 |

以上、4特別会計における自主財源の収入未済額を合わせると3億2,779万5千円となっており、前年度と比較すると2,703万2千円の増、収納率は91.6%と0.5ポイント低下している。
一般会計から特別会計への繰入金は44億9,126万2千円、特別会計から一般会計への繰出金は6億5,719万2千円となっている。
むすび
佐渡市の平成19年度一般会計及び特別会計の歳入合計額は774億4,715万3千円、歳出合計額は756億6,243万9千円となっており、前年度と比較すると、歳入は6億3,472万7千円の増、歳出は9億7,237万6千円の増となっている。
市税、分担金及び負担金、使用料及び手数料、諸収入を合わせた自主財源の調定額は、133億3,799万2千円となっており、うち収入未済額は7.6%の10億1,763万3千円を計上している。
前年度と比較すると、収入未済額は1億4,803万1千円増加し、収納率は92.1%と0.9ポイント低下している。
また、平成19年度における不納欠損額は、3,064万円であるが、安易な不納欠損は避けると同時に、消滅時効を認識しながら滞納事務処理に努められたい。
平成19年度改革公約である佐渡市行政改革マニフェストでは、自主財源の徴収目標を掲げているが、簡易水道使用料を除き、いずれも目標未達成である。負担の公平性と自主財源の確保のために、収納率の向上に更なる努力をされたい。そのためには、税ばかりでなく、使用料等も含めた未収の情報の共有化及び徴収の一元化を図ることが必要であると考える。
佐渡市では、部長体制をとって3年目であるが、例規の一部が制度に対応しきれていないものと思料する。一例を示せば、財務規則上、部長の役割が明記されず、依然として課長制度の規則のままである。
また、出張命令時に、役職によっては自身での決裁となっているが、決裁上疑義が残るので、類似団体も含め、他市の例規を参考に早急に検討し、あわせて修正されたい。
なお、組織の運営において基本である各部局の内部統制がうまく機能していないのではないかと考えられることが多々見受けられる。例えば、事務事業の基本である起案と決裁に対する認識不足、職務への消極的姿勢などである。佐渡市としての方針を取りまとめる機能の充実を図り、それぞれの役職における役割が十分発揮されるような内部統制の構築に努力されるよう強く望むものである。