合併特例債
国や県は、合併市町村に対して、合併後のまちづくりを推進するために、財政的優遇措置を確保しました。この優遇措置には、地方交付税の「合併算定替」や「合併特例債」などがあります。その中で最大の財政支援策が、合併特例債です。最初に、平成25年度までの合併後10年間において認められるこの合併特例債を有効に活用して、どのような公共施設を市が整備してきたかをご紹介します。
- 注釈
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- 合併算定替
- 合併して10年間は旧市町村が合併しなかった場合を想定した普通交付税を保障するものです。さらに5年間は激変緩和措置があります。
- 合併特例債
- 合併後10年間で市町村建設計画に基づいて行なう事業や基金積立の経費の財源のために借入れることができる地方 債です。償還金の7割が普通交付税に算入されます。
合併による財政支援状況(合併特例債)
- 小学校建設事業では、通常借入れられる金額より多くの市債が認められ、市の財源確保と予算調整に大いに役立っています。
- 合併特例債といえども借金です。地方交付税措置があるといっても、地方交付税総額が削減されれば決してメリットではありません。後年度の公債費負担が増える結果にもなるので、今後の市債償還も考えながら、借入れを検討していかなければなりません。
合併後、合併特例債を活用して行なわれた主な事業(金額は借入れ額)
年度(平成) | 主な事業 |
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平成16年度 合計 22億5,670万円 |
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平成17年度 合計 23億7,090万円 |
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平成18年度 合計 7億6,750万円 |
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平成19年度 合計 14億7,220万円 |
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国・県からの財政支援策の活用内容
次に、国や県からの財政支援策の活用内容をご紹介します。
国からは全国的な市町村合併の推進という観点から、モデル事業に合併補助金が交付されました。また、県からは市民の生活基盤の整備などの事業に、合併後5年間は合併特別交付金が充てられています。このほか地方交付税は、合併後に必要となる経費のために、普通交付税約13億8千万円(5年間合計)、特別交付税約9億3千万円(3年間合計)が上乗せして交付され、市のまちづくりのための財源が確保されました。
合併による国・県補助金を活用して行なわれた主な事業(金額は補助金額)
年度(平成) | 合併補助金(国) 平成15〜17年度計、9億円 |
合併特別交付金(県) 平成16〜20年度計、45億円 |
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平成15年度 | 合計 959万円 本庁舎駐車場整備、車両購入 |
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平成16年度 | 合計 5億2,041万円 庁舎増改築、幼稚園建設、小学校建設用地購入等 |
合計 8億9,000万円 イントラネット整備、デイサービスセンター建設、特別養護老人ホーム建設負担金、ケーブルテレビ整備 |
平成17年度 | 合計 3億7,000万円 戸籍・図書システム電算化構築、消防団活動服整備 |
合計 9億1,000万円 ケーブルテレビ整備、特別養護老人ホーム建設、防災行政無線整備、小学校建設 |
平成18年度 | 合計 9億円 ケーブルテレビ整備、特別養護老人ホーム建設、公営住宅建設、分遣所建設、小学校建設 | |
平成19年度 | 合計 9億円 ケーブルテレビ整備、特別養護老人ホーム建設、消防本部庁舎建設 |
合併による財政支援状況(合併補助金等)
- 合併補助金(国)や合併特別交付金(県)により、合併後に必要な事業の整備を行いました。
このような財政支援などにより整備される公共施設についてですが、合併前は、社会や市民のニーズの拡大により、道路や産業基盤、教育、文化その他の社会施設などの整備が各地区で行われてきました。
今後の展望
合併後は、類似施設などの施設の統廃合や既存施設の有効性・効率性についての検証を十分に行ないながら、市民生活に直結した広域的施設の課題を解決するため、今後も有利な財政措置のある合併特例債を活用し、市民からの要望の高い施設整備を進めていきます。
財政の健全化を進めながら、必要不可欠な公共施設の整備を行なうためには、施設の設置目的・機能、地域バランスをふまえた配置についても、市民の皆さまの十分な理解が必要です。市民の皆さまが施設を十分に利活用できる仕組みづくりを行うとともに、地域の活性化や市民参画促進のための施設整備を図っていきます。