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[平成26年度]公営企業会計決算審査意見書

2015年12月25日、掲載

監査委員事務局(0259-63-3112)

本ページの目次

水道事業会計

上水道事業の本年度末の給水人口は人口減少の影響で昨年より723人減少し、4万3,259人となっており、佐渡市全人口の73%を対象に4箇所の上水道、5箇所の簡易水道で事業を実施している。

給水状況は、前年度と比較すると給水人口の減少の影響で総有収水量、総給水量はともに減少しており、また有収率も79.4%と0.8ポイント悪化している。これは、冬期間の凍結等による漏水事故の発生が原因であるが、佐渡市水道ビジョンの目標値である有収率90%を達成するためには、供給区域内の両津、新穂地区のようにここ数年有収率が70から75%と低位に推移している地区について、重点的に調査し有収率の向上に向けた対策を早急に講じるべきである。

経営内容を前年度と比較してみると、人口の減少と有収水量が減少したことにより営業収益が2,529万2千円の減となったものの、営業外収益等を含めた総収益では2億1,062万4千円と大幅な増で16億8,273万円となっている。増加の理由としては、新会計制度の適用に伴い、長期前受金戻入益で2億3,087万9千円を本年度新たに計上したためである。

一方、費用については、新会計制度適用に伴いみなし償却を廃止したため減価償却費が2億219万3千円の増となるなど、営業費用の総額は2億476万5千円の増となり、営業外費用で企業債償還利息の減少により253万4千円の減となったものの、総費用は2億490万3千円増の14億8,135万円となっている。また、損益計算書における当年度純利益は、前年と比べ572万1千円増で2億138万1千円の黒字を計上しているが、これは高料金対策として一般会計からの2億7,925万円3千円の補助金によるところが大きい。

未収金は当年度末で3億1,872万9千円となっており、主なものとして国庫補助金1億8,970万円、水道料金7,957万6千円、工事負担金3,353万5千円となっている。また、不納欠損額は184万1千円で、昨年の2.6倍の金額になっている。内訳は水道料金が183万7千円、開閉栓手数料が4千円となっている。

水道料金の未収については、大口滞納者に対する徴収対策により前年度と比べ511万5千円の減少となっている。この減少の主な要因は相川地区の成果であり評価できるものの、相川地区の未収金は未だに全体の60.0%を占め、依然として突出した状態である。未収金については適正な手続きとして給水停止措置等により新規滞納額の増加を未然に防止するとともに、収納及び徴収業務の民間委託等も検討を行い、未収金対策の取組みを強化されたい。

各経営分析指標においては、総収益と総費用の対比により収益性を示す指標である総収益対総費用比率は113.6%で、前年と比べると1.7ポイント悪化、経常的な収益と費用の対比により単年度黒字の目安を示す指標である経常収益対経常費用比率は113.7%で、同じく1.7ポイント悪化している。また、純粋な営業に関する収益と費用を対比する営業収益対営業費用比率は89.9%で、これも19.7ポイント悪化している。

以上のように、収益性の分析比率では前年と比較して全てにおいて悪化しており、厳しい現状が示されている。

さらに平成28年度には、特別会計で運営してきた簡易水道事業が公営企業会計に統合となるため、今後は更に厳しい経営環境が続くものと考えられる。

少子高齢化や若者等の都市部への流出による人口の減少により、使用水量の大幅な増加が期待できない中で、施設の老朽化に伴う更新や老朽管の布設替等の維持管理費の増大が予想される。低迷する有収率を向上するためにもこれらの費用は必要である。

水道事業会計は、今でも一般会計からの高額な繰出金を受けているが、佐渡市の水道事業が将来にわたって、安心で安定的な持続性のある水の供給を実現するために、水道料金の改定も含めた経営の健全化と効率的な事業運営を望むものである。

次に不適正な予算執行及び改善を求める事務処理について意見を述べる。

水道料金の未納対策については、これまで督促状、催告書の発送、給水停止措置等により納入を促し、また長期や大口の滞納者については確約書により計画的に入金させることで一定の成果を上げている。しかし、一部の滞納者に対しては、これらの措置を講じることもなく、さらには本年度において当該者の水道料金を不納欠損処分していた。これは、市民への公平性の点から看過できないことである。直ちに、適正な手続きにより滞納処理されたい。

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病院事業会計

病院事業としては、両津病院と相川病院の2施設を運営し、両津病院は、常設3科、常勤医師6名(内科4名、小児科1名、歯科口腔外科1名)と非常設5科(外科、整形外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、矯正歯科)を合わせ、8科で一般病床99床の救急指定のへき地医療拠点病院として、また、相川病院は常設1科、常勤医師2名(内科2名)で療養病床52床の救急指定病院として運営されてきた。

当年度の入院患者数は延べ3万5,849人で、前年度より6,051人減少し、外来患者数も延べ8万3,676人で3,207人減少した。これは佐渡市の人口減少や両津病院の1病棟閉鎖が要因と考えられる。

経営状況については、前年度と比較すると、総収益は患者数の減少に伴い9,177万9千円の減となり、総費用は消費税法の改正による雑支出の増や会計制度改正による賞与・法定福利費引当金の増等により412万8千円の増となったため、昨年度は損益計算書において1,517万4千円の純利益を計上していたものが、当年度は純損失で8,073万4千円となっている。これは、公営企業会計制度の改正による影響も含まれているものの、経営状況の悪化を示しており、改善対策が望まれる。

各経営分析指標においては、総収益対総費用比率が96.6%で、前年度より4.0ポイント悪化し、経常収益対経常費用比率は2.6ポイント悪化し96.4%となり、昨年に引き続き赤字となった。純粋な経営の収益と費用を対比する医業収益対医業費用比率は88.8%で、これも前年度より2.1ポイント悪化しており、今後も更なる経営努力が求められる。

両津病院においては、前年度末に看護師の退職があり補充ができず、4月から3階病棟39床を休床して60床で運営、結果として、入院患者数が大幅減となり収支悪化に繫がっている。経営状況は、経常収支比率で98.9%となり、昨年度は6,236万3千円の純利益を計上していたが、当年度は純損失1,963万3千円を計上することになった。

相川病院においては、常勤医師2名で外来、入院、往診、救急受入等の業務を行う状況であり、決算では、入院患者数・外来患者数ともに前年度を下回り、経常収支比率は90.0%、純損失は前年度比で1,391万2千円増の6,110万1千円を計上することになった。

また、未収金のうち、窓口未収金は2,549万6千円で、うち過年度分については1,237万7千円となっており、いずれも昨年度より増加している。未収金対策には徴収体制の確立や徴収方法の再考などにより、解消に向けたより一層の努力を求めるものである。

以上のように、佐渡市の病院事業における経営環境は厳しい状況にある。特に両津病院では、看護師不足により昨年4月より1病棟の閉鎖に追い込まれており、経営上危機的な状況に至っている。看護師不足は全国的な傾向ではあるが、佐渡市の場合は離島という地理的条件も加わり、より深刻な問題となっている。民間紹介会社への登録や病院見学ツアー、離職看護師に向けた「復職プログラム」への取組み等看護師確保に積極的に取り組まれたい。

今後更なる経営改善を図り、地域住民の医療に対する要望に応えられるよう努力されたい。

なお、両津病院については、建物の耐震診断の結果、耐震補強工事をするか建替えするかの判断が必要となっている。この機会に今後の佐渡市の病院経営のあり方も含めた方針決定のための協議を早急に進められたい。

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