開催概要
人口減少対策は佐渡市の大きな課題となっています。そこで、課題解決の糸口を探るため、子育て世代の皆様と市長の対話集会を開催しました。
- 日時
- 2015年7月25日(土曜日)、14時〜15時30分
- 会場
- 佐渡市役所 本庁舎3階 大会議室
- 参加者
- 34名
- 市役所参加者
- 市長、総合政策課長、学校教育課長、社会福祉課長、広報戦略官ほか計14名
集会の要旨
市長挨拶
昨年度も対話集会を開催しいろいろ話をしたが、今は地方創生の佐渡市版をつくっており、人口減少対策が基本といえる。国の試算では、佐渡市の人口は2,060年に2万5千人くらいとされているが、3万7千人から4万人程度のところでがんばっていきたい。
現在の佐渡市では、毎年千人の人口が減っている。その中で自然減は抑えることが難しいが、社会減をなんとかしたい。U、Iターンの定着をすすめる中で、子育て中の医療費(入院費)の無償化や保育園二人目無料化に取り組んだので、教育費にもメスを入れたい。
若い人、子どもに投資すると、お年寄りにかかる経費の制限を考える。減らすことはなかなかできないが、健康でいてもらうことで医療費を落とせないかを検討し、高齢の皆さんから野菜や魚の干物など金額の目標を定めて作ってもらい、それを市が買う。(体を動かすこともあり)その方々はお医者さんにかかることがない。そういう取り組みを進めている。
子育て環境について、集う場所が必要であり、例えば支所・サービスセンターの空き部屋の活用なども話し合っていきたい。今度ツタヤさんにタリーズコーヒーが入るということだが、社長さんにもお会いしてキッズルームや本と通じて集える場所を作ってもらいたいと申し入れした。
今回の地方創生の総合戦略では、以前と違い計画に基づいて(国へ)お金を取りにいかかければならない、具体的な意見を聞かせてもらいたい。佐渡の活性化は行政だけでやれるものではない。皆さんと一緒に意見を出し合いながら改善していきたい。
子育て施策の概要説明(社会福祉課長)
佐渡市の子育て支援策の基本的な方向を3つご説明したい。
- 子育てにかかる経済的負担、精神的負担の軽減を図る仕組みを強化する
- 仕事と子育ての両立ができる環境整備
- 核家族化の進展による親の孤立防止や、子育て相談、交流の場の充実
以上をすすめたい。
具体的には、保育料2人目無料化のさらなる経済的負担の軽減、老朽化する保育園の整備のため金井と両津で統合保育園の開設とあわせ病後児保育や子育て支援センターの設置も考えている。保育園の児童数の目標を2千人まで上げ、子育て環境の整備を行いたい。発達段階に応じた支援体制や、拠点施設の整備も行いたい。
意見交換
- ご質問1(出産・育児環境について)
前回の対話集会にも参加して、佐渡の出産環境の改善について発言した。その後、出産環境についての意識調査を100人くらいに行ったところ、妊婦さんは希望どおりのお産をしたいと思っているが、佐渡では佐渡総合病院しか選択肢がなく、もう少し選択肢がほしいと思っている。
保育環境も、佐渡の自然を生かし切れていないという印象がある、森の幼稚園、野外保育があっても良い。鳥取県の智頭町で「お産の里づくり」というプロジェクトが進んでいる。森の幼稚園やフリースクールに行政の後押しがあるようなので、ぜひ佐渡市の職員を視察に派遣してもらいたい。
- 回答(市長)
職員に勉強させます。森の幼稚園、私も大賛成ですが、そうではない人たちもいらっしゃるので、一概にはできませんが、見たうえでやりたいということならば試験的にやっていきたい。
- ご質問2(金井統合保育園について)
子どもが減る中で、保育園の統合の話が出ている。金井に限れば本線の脇で道路に関する安全性の不安、200人規模での感染症の蔓延とか、避難などでも心配なので、安全対策をしたうえで計画を進めてもらいたい。
- 回答(市長)
金井の統合保育園の場所の意味はふたつあります。一つ目は、もともと女子校を建てる際に地元が無償提供した土地であり、女子校がなくなり返してもらう目処が立った。二つ目は合併から10年間、地域審議会がありその議論の中であの場所に保育園という話があったものです。
また、どんなに素晴らしい場所に保育園や学校を作っても、100%の安全・安心はあり得ないと思っている。しかし、なるべくパーフェクトな形に近づける必要はあるので、保護者と警察など交通関係の人たちと一緒になってなるべく安全な場所に作り上げたいと思っている。皆で知恵を出すことが必要だと思っている。
もうひとつ、立場からすると6万人の市民の1人1人から意見を聞くのが本当は当たり前だけれどもそれは不可能です。このため、対話集会を開くとか、議会と相談しながらすすめていっていますのでご理解いただきたい。これから安全のために一緒に作り上げますので、中に入っていろんな意見を出してください。ここで建設を止めるわけにはいかない。
- 関連質問
安全確保が大事で、急いでスタートさせるのではなく、中身や保育士さんの勉強とかもあると思うので、ちゃんとしてから始めてほしい。中止ということは言ってないけども、一度立ち止まって地域や保護者の皆さんと話してから始めてほしい。
- 回答(市長)
建設に当たって国の補助金もあり、延期となって補助金がカットされると他にも影響が出るので、話し合いは早急に行うので、平行してなんとかお願いしたい。
- ご質問3(発達障害児等への支援)
集団行動で困り感のあるお子さんへのお願いです。少人数クラスの実現や特別支援クラスの先生等の増員、普通クラスの先生に困り感のある子どもの支援を学ぶ講習会の場を作ってもらいたい。
子どもの対応で困ったときに、相談できる場所がなく、子若センターでも話を聞くだけではなく対応の仕方とかを聞かせてもらう機関があるとありがたい。
中学校の方では、就職の不安が大きく、作業所も今いる方が出ないと入れない。
- 回答(市長)
個性のあるお子さんを理解し、それに基づいた教育をする。職員教育は市が行うが、学校での教育は市長ではなく教育委員長や教育長だった。今は、そこに首長が入り総合教育会議ができた。今の話は総合教育会議で話すが、下越教育事務所との連携も必要なので全体でやらなければならない。ただ、全て行政ができるというものでもないので、作業所についても行政と一緒になって汗をかいていただきたい。
- ご質問4(図書館)
4年ほど前に、使われていない図書館が図書室になると聞いた。児童の図書利用率が新潟で平均10%位に対し、佐渡は20%以上、真野は37%と本を読んでいる子どもが多い。地域の地域づくりにお金をいただけるのであれば、子どもが行っているところにはお金をかけてほしい。ちゃんとした図書館が佐渡にも1つ必要だろうというのは大人の見方。数字表れないその場でパッと読んで返す本の数も多く、足で行って集まれる場所が子ども達にも必要でぜひそういう場所を残してほしい。
- 回答(市長)
新しい近代的な図書館を作ることは考えていないが、中身の問題であり本の数や司書の配置を考える。私は予算査定の時に本を買うお金を削減してはならないと財務課長に指示しています。今の10か所をなくすことはありません。
- ご質問5(学力向上について)
平成26年度の小学生の国語と算数が全国平均と同等レベル、中学校は全国平均以下とホームページに載っている。文科省でも家庭教育、家庭で上手く勉強ができない児童に予算措置があるということなので、それを利用して教員OBや近隣の大学の教育学部の学生をボランティアとして来てもらうなど、佐渡の学力の底上げをしていただきたい。そして大学に行って企業に勤めて、ゆくゆくは佐渡に企業を作るとか人材を送り込むと行った循環を作ると良いと思う。
- 回答(市長)
総合教育会議があり、ひとつはキャリア教育を徹底してやりたい。もうひとつは高校改革をやりたい。さらに、小学校から高校までの教育のあり方を考えたい。
学問も大事だけども、ふるさと愛、地域愛も大事。島外へ出ても佐渡の良さがわかっていないから帰ってこない、出身はどこと聞かれて渋々佐渡と言うようではダメ。だからふるさと愛のため、佐渡学やキャリア教育をやっていきたい。
佐渡で頑張って就職するという人。佐渡からどこかへ出て向こうの中で経験をして佐渡へ帰ってくるという人。佐渡から出て佐渡以外のところから佐渡を応援するひと。この三つのタイプを育てるのが佐渡の本来の教育だと思います。これは総合教育の中でやりたい。
グループディスカッションでのご意見(主なもの)
- 市の施設建設などで、構想や設計が固まってから意見を聞かれ、意見を出しても反映されない。聞くのであれば固まる前に言ってほしいし、税金を使うのにもったいない。
- 保育園などでも、地域審議会ではなく当事者に聞いてほしい。サンテラなどでも同じで、他の例を見ていないのでは? 金井・両津の保育園の話が聞こえるが、他の地区が聞こえてこない。
- 施設の建設では、主役の声を聞いてほしい。
- 両津の統合保育園、住まいから遠いし、佐渡一周線沿いの低い土地なので心配しているが説明がない。
- (男性の声として)父親は保育園の役員とかはやるけども、子どもと接する時間が少ない。
- 田舎ではまわりの人たちが子どもを大事にしてくれる。産んでもらう人を増やすために、経済面でのバックアップがほんの少しでもあればうれしい。3人子政策が良い、以前は奨励金もあった。
- 仕事が続けられないと子どもを産めない。
- 効率だけでない、小さい保育(の場)を応援してほしい。
- 私設保育を始めたい。人数が多くなったら支援がもらえるのか?
- 学童保育、場所が狭いし、グレーゾーンの子どもは断られた。指導者の待遇を良くしてほしい。
- 子育て従事者の待遇を良くしてほしい。
- 公園の遊具が年々なくなっていて、パンフレットと違う。
- 伝統芸能を見られるようにしてほしい。おけさの取り組み、統一してわかりやすく教えてもらえる場がほしい
- 公園のトイレにベビーベッドがない、オムツ替えのない場所が多い
- 佐渡汽船の船、授乳室やオムツ替えがしやすいように男性禁止などは?
- トイレをきれいに使いやすくしてほしい。また、ジオパークも看板があるだけ
- 子どもの遊ぶ場所がない
- 体育館も子どもを連れて行けば大人も無料にしてほしい
- 体育館のチャイルドルームも小学生未満なので、兄弟でも入れない。
参加者アンケートの結果
- 集会参加者:34名
- アンケート回答数:32件
参加者の様子
年代

人数 | 割合 | |
---|---|---|
20歳代以下 | 1 | 3% |
30歳代 | 19 | 59% |
40歳代 | 10 | 31% |
50歳代 | 0 | 0% |
60歳代以上 | 0 | 0% |
未回答 | 2 | 6% |
合計 | 32 | 100% |
性別

人数 | 割合 | |
---|---|---|
女性 | 24 | 75% |
男性 | 8 | 25% |
合計 | 32 | 100% |
お住まいの地域

人数 | 割合 | |
---|---|---|
両津 | 6 | 19% |
相川 | 5 | 16% |
佐和田 | 4 | 13% |
金井 | 8 | 25% |
新穂 | 1 | 3% |
畑野 | 4 | 13% |
真野 | 3 | 9% |
小木 | 1 | 3% |
羽茂 | 0 | 0% |
赤泊 | 0 | 0% |
合計 | 32 | 100% |
参加のきっかけ

人数 | 割合 | |
---|---|---|
保育園・学校等からのチラシ | 16 | 50% |
保育園・学校等からの声掛け | 11 | 34% |
佐渡市ホームページ | 2 | 6% |
友人・知人からの紹介 | 2 | 6% |
フェイスブック | 1 | 3% |
合計 | 32 | 100% |
就業形態

人数 | 割合 | |
---|---|---|
正規職員として働いている | 10 | 31% |
非正規職員(派遣社員、パート・アルバイト等)として働いている | 10 | 31% |
自営業者として働いている | 7 | 22% |
働いていない | 4 | 13% |
現在は、産休・育休を取得中である | 1 | 3% |
合計 | 32 | 100% |
お子さまの人数と世代について

人数 | 割合 | |
---|---|---|
未就学児 | 35 | 51% |
小学生 | 26 | 38% |
中学生 | 7 | 10% |
高校生以上 | 0 | 0% |
合計 | 68 | 100% |
参加者別:お子さまの人数と世代

未就学児 (人数) | 小学生 (人数) | 中学生 (人数) | |
---|---|---|---|
参加者1 | 1 | 0 | 0 |
参加者2 | 1 | 0 | 0 |
参加者3 | 1 | 1 | 0 |
参加者4 | 1 | 1 | 0 |
参加者5 | 1 | 1 | 0 |
参加者6 | 1 | 1 | 0 |
参加者7 | 1 | 1 | 0 |
参加者8 | 1 | 2 | 0 |
参加者9 | 1 | 2 | 0 |
参加者10 | 1 | 2 | 0 |
参加者11 | 2 | 0 | 0 |
参加者12 | 2 | 0 | 0 |
参加者13 | 2 | 0 | 0 |
参加者14 | 2 | 0 | 0 |
参加者15 | 2 | 0 | 0 |
参加者16 | 2 | 0 | 0 |
参加者17 | 2 | 0 | 0 |
参加者18 | 2 | 0 | 0 |
参加者19 | 2 | 1 | 0 |
参加者20 | 2 | 1 | 0 |
参加者21 | 2 | 1 | 0 |
参加者22 | 2 | 2 | 0 |
参加者23 | 0 | 2 | 0 |
参加者24 | 0 | 2 | 0 |
参加者25 | 0 | 2 | 0 |
参加者26 | 1 | 0 | 2 |
参加者27 | 0 | 1 | 1 |
参加者28 | 0 | 1 | 1 |
参加者29 | 0 | 1 | 1 |
参加者30 | 0 | 1 | 2 |
平均2.125人
- 注釈
- 「参加者1」などの数字は便宜上に付した連番です。参加申込順などを示すものではありません。
- 無回答者2名は含みません。
開催日時について
開催の曜日について

人数 | 割合 | |
---|---|---|
良かった | 19 | 59% |
少し良かった | 4 | 13% |
普通 | 7 | 22% |
少し悪かった | 1 | 3% |
悪かった | 0 | 0% |
未回答 | 1 | 3% |
合計 | 32 | 100% |
「悪かった」とした理由
- お祭りと重なって出られない方がいた
「良かった」とした理由
- 土曜日なのは良いが、夏休みが始まり、子ども達も海に行きたい時期に子育て集会?と思った。時期をずらした方が良いと思う。
開催の時間帯について

人数 | 割合 | |
---|---|---|
良かった | 14 | 44% |
少し良かった | 3 | 9% |
普通 | 11 | 34% |
少し悪かった | 1 | 3% |
悪かった | 0 | 0% |
未回答 | 3 | 9% |
合計 | 32 | 100% |
「少し良かった」とした理由
- 開始時刻は良いが、対話時間を長く持つため、終了時刻は1時間くらい長くても良いのでは?
保育ルーム・対話集会全体について
保育ルームについて

人数 | 割合 | |
---|---|---|
良かった | 15 | 47% |
少し良かった | 2 | 6% |
普通 | 7 | 22% |
少し悪かった | 1 | 3% |
悪かった | 0 | 0% |
未回答 | 7 | 22% |
合計 | 32 | 100% |
「良かった」とした理由
- 子どもを見てくれると助かる
「普通」とした理由
- 小学生(低学年)も見てもらえないと使えない
対話集会全体について

人数 | 割合 | |
---|---|---|
良かった | 10 | 31% |
少し良かった | 10 | 31% |
普通 | 4 | 13% |
少し悪かった | 1 | 3% |
悪かった | 1 | 3% |
未回答 | 6 | 19% |
合計 | 32 | 100% |
「悪かった」とした理由
- 時間が短い
「少し良かった」とした理由
- 時間が足りない
その他
- 学生にも意見の場をつくって欲しい
意見交換について
全体意見交換について

人数 | 割合 | |
---|---|---|
良かった | 12 | 38% |
少し良かった | 9 | 28% |
普通 | 5 | 16% |
少し悪かった | 1 | 3% |
悪かった | 1 | 3% |
未回答 | 4 | 13% |
合計 | 32 | 100% |
「少し良かった」とした理由
- テーマに分かれていて意見が言いやすかった
- 意見のカテゴリーが分かれていると、意見が出しやすいと思った
- 時間が足りませんでした
グループディスカッションについて

人数 | 割合 | |
---|---|---|
良かった | 19 | 59% |
少し良かった | 4 | 13% |
普通 | 4 | 13% |
少し悪かった | 1 | 3% |
悪かった | 0 | 0% |
未回答 | 4 | 13% |
合計 | 32 | 100% |
「良かった」とした理由
- 言いたいことが言えたので良かった
- 皆さんとお話しできて良かった
- 自分と同じ事を思っている人がいると知ってうれしく思った。
「少し良かった」とした理由
- テーマが飛んであまり良くなかった
- もっと時間が欲しかった
- 話しやすくなりました
来年度の参加について
来年度の参加について

人数 | 割合 | |
---|---|---|
参加したい | 20 | 63% |
参加したくない | 1 | 3% |
わからない | 9 | 28% |
未回答 | 2 | 6% |
合計 | 32 | 100% |
「参加したい」とした理由
- 学生だけが参加できる場もあれば良いと強く感じました。佐渡のことを考えていけると思います。
- 開催時間が少し短いと思ったので、1時間程度長ければ再度参加したい。
- 佐渡市民の皆さんの意見を聞いて、子ども達の過ごしやすい生活が出来るよう何かしらお手伝いしたいと思うから
- 質問にしっかりとお答えになる市長の姿勢に感銘を受けるから
- 思った以上に、考えや提案をされる方が多く、今後も意見を聞いてみたい
- 市長や皆さんの話を聞いて参考になった
- 前回も出席したこともありますが、新しい佐渡の政策が聞こえるのがありがたいです。実りある会で良かったです。
- アンケートを記入して読んで頂けるだけで無く、直接顔を合わせて話せるのが良いと思ったから。
- 市民の声をこうした形で聞いてもらえることは、大事な機会だと思います。
- 話し合いきれなかった。男性の意見も聞きたかった
- 様々な子育て世代の方の抱えられている問題や意見を聞けて良かった。
- 和やかな雰囲気で、そこそこ活発な発言で良かった。
- どの話も十分に議論をするには回を重ねる必要があると思うので、また開催して欲しい。
「わからない」と答えた方の理由
- 意見がどの程度施策に使用されているのかわからない
- 妻が参加した方が良いかも?
- 機会があればまた参加してみたいです
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