佐渡市公共施設の見直し指針に基づく、公共施設の処分等に関し通知しているところでありますが、一部内容について改正を行いました。
改正内容については、下記3、(1)、3その他の譲渡に係る条件等に地縁による団体等の場合は、施設譲渡に関し発生する、所有権移転登記手数料、不動産取得税、登録免許税の支払い実費額の全額を交付することができる規定を追加したものです。
関係部局等においては、改正内容を確認のうえ、適切に対応されるようお願いします。
見直しにおける基本的な考え方について
公共施設見直し指針では、各施設の検証等を行った上で、「1. 存続」、「2. 用途・利用形態の見直し」、「3. 処分」の三つの方針に基づき、方向付けを行うこととしている。
各施設の見直し作業における留意事項並びに見直しの視点は以下のとおりである。
見直しに当たっての留意事項
- 施設が何を目的に設置され、運営されているのか、存在意義(市が運営主体となる必要性の有無)を明確化するために、現状を分析すること。
- 他自治体において、既に民間委譲等が実施されている施設については、佐渡市でも実施の可能性を有するため、具体的な情報収集を行うこと。
- 島内において民間活力が実際に可能かどうかの実態を把握すること。
- 地域間で公共サービスの不均衡が生じないよう佐渡全体のバランスを考慮すること。
見直しの視点
- 民間の方が効率的・効果的に業務遂行ができるものは積極的に民間事業者の有するノウハウを広く活用できないか。
- 同様の目的を持つ施設が複数ある場合は、施設規模とサービス内容に応じて施設を統合し、全体の効率化が図られないか。
- 直営で施設の管理運営を行う必要がある場合は、経費削減のための業務委託や、利用者負担見直しの検討が必要でないか。
- 今後、公共使用の見込みがない施設は、民間への譲渡や更に民間の受け皿も無い場合は、経済的な判断のうえ解体できないか。
処分の考え方
公共施設の見直し指針における「1. 存続」、「2. 用途・利用形態の見直し」、「3. 処分」、のうち、「3. 処分」とした施設については、譲渡する施設、廃止する施設及びその他に区分し、それぞれの処分の考え方は以下に示すとおりとする。
施設の区分については、別表1「佐渡市公共施設等財産分類表(PDF・約24キロバイト)」による。
- 注釈
-
- 補助又は起債事業により整備した施設の扱い
- 補助又は起債事業により整備した施設で、その制限等により処分が図れない施設については、施設の運営コストと施設処分に係る補助金返還又は起債の償還額との比較を行い、処分することで、有利と認められる場合は、補助金返還又は起債の繰上償還を行い以下により処分を図るものとする。
譲渡する施設
基本的な考え方
市が運営する必然性は希薄でありながらも、当該施設の必要性が認められる施設については、既存施設の設置目的並びに機能を維持し継続していくことを前提条件として譲渡することとする。
ただし、譲渡する施設については、原則として、引渡しに係る修繕費用等が当該施設の解体撤去に要する費用を超えない場合に限るものとする。
また、施設の用途変更は基本的には認めないものとするが、その用途が公共の福祉の増進と認められる場合は、転用できるものとする。
施設使用の実態が、地域や特定の利用者に限られるものについては、当該施設をその利用している団体に譲渡するものとする。
対象となる施設
財産分類(中) 財産分類(小) 財産分類(細) 2 公園等 2 その他の公園 1 児童遊園、2 農村公園、3 漁村公園、4 その他の公園 10 産業関連施設 1 農業施設 1 農業生産施設 2 林業施設 1 林業生産施設 3 水産施設 1 漁業生産施設 11 会館等 1 会館等 2 集会施設、3 地区集会施設 14 保健体育施設 1 体育施設 6 ゲートボール場 - 注釈
- 表中の数字は、分類番号です。
既に民間の事業展開がある施設と同種の施設や、民間団体等の自主的な運営に託すことで、より効率的・効果的に業務遂行ができると考えられる施設は、積極的に民間事業者に譲渡するものとする。
対象となる施設
財産分類(中) 財産分類(小) 財産分類(細) 1 道路・運輸・通信施設 5 情報通信施設 1 ケーブルテレビ放送施設 7 民生関連施設 1 児童福祉施設 1 常設保育所、3 へき地保育所 2 老人福祉施設 1 養護老人ホーム、2 特別養護老人ホーム、3 軽費老人ホーム、4 老人ディサービスセンター、5 老人福祉センター、6 老人短期入所施設、7 その他老人福祉施設 3 障がい福祉施設 1 障がい福祉施設 4 保養施設 1 保養施設 9 診療施設 1 診療施設 2 診療所 10 産業関連施設 4 商工施設 1 商工施設 5 観光施設 1 海水浴場施設、2 キャンプ場、3 観光案内所、4 休憩所、5 飲食提供施設 12 教育関連施設 1 幼稚園・小・中学校 1 幼稚園 14 保健体育施設 1 体育施設 9 スキー場、10 複合施設等、11 その他体育施設 16 その他の施設 2 その他の施設 3 駐車場等、4 宿泊施設 - 注釈
- 表中の数字は、分類番号です。
廃止する施設
基本的な考え方
設置時の目的及び機能を達した施設あるいは近隣代替施設の存在等により、利用率が低下している施設については廃止するものとする。
近隣若しくは島内に同種の施設が複数存在する施設については、その施設の目的と機能並びに現況を正確に把握した上で、施設規模、管内における施設配置等を総合的に判断して施設の統合や廃止を図るものとする。
対象となる施設
財産分類(中) 財産分類(小) 財産分類(細) 2 公園等 1 都市公園 1 児童公園、2 近隣公園、3 運動公園、4 河川敷緑地等 4 住宅等 1 公営住宅等 3 単独住宅 2 専用住宅等 1 職員住宅 7 民生関連施設 1 児童福祉施設 1 常設保育所、3 へき地保育所 2 老人福祉施設 5 老人福祉センター 4 保養施設 1 保養施設 8 環境衛生施設 1 保健衛生施設 1 保健センター、2 斎場 2 清掃施設 1 廃棄物処理施設 9 診療施設 1 診療所 2 診療所 10 産業関連施設 5 観光施設 1 海水浴場施設、2 キャンプ場、4 休憩所、5 飲食提供施設 11 会館等 1 会館等 1 文化会館、2 集会施設 12 教育関連施設 1 幼稚園・小・中学校 1 幼稚園、2 小学校、3 中学校 2 その他教育関連施設 3 学校給食施設 13 社会教育関連施設 1 社会教育施設 2 青年の家・自然の家、4 博物館等、5 図書館、6 調理実習室、7 体験実習施設 14 保健体育施設 1 体育施設 1 体育館、2 陸上競技場、3 野球場、4 プール、5 テニスコート、6 ゲートボール場、7 武道館、8 グラウンド、9 スキー場、10 複合施設等 16 その他の施設 2 その他の施設 2 公衆便所、3 駐車場等 - 注釈
- 表中の数字は、分類番号です。
大規模修繕等を必要とする施設及び老朽化した施設については、その施設の存在意義の検証及び現状把握を十分行い、原則、代替施設の利用を図り廃止の方向とする。
対象となる施設
見直し対象となる全ての施設
その他
施設の設置に際し借地や借家が生じている場合は、統合あるいは廃止を推進することで借地、借家を解消するものとする。
ただし、当該施設が将来的にも市が管理運営する施設として必要な場合には、当該施設の目的及び機能を果たすために土地、建物を取得するものとする。
また、借地以外の手段によりがたい場合には、必要面積の見直しを行い、最小限の借用に止めるものとする。
上述のいずれの手段にもよりがたいもの、あるいは補助金、起債の制限のために譲渡が困難な施設については、アダプト制度(※1)など様々な形での住民協力を促進するものとする。
- 注釈
-
- アダプト制度(里親制度)
- 市民が「里親」となり、道路・水路・公園・緑地等の公共施設を「養子」とみなし、義務的活動でなく自らの活動と責任で公共施設を市と協働で管理する制度。
譲渡・廃止とした施設等の処分方法について
譲渡条件等
譲渡については、公共団体、公共的団体とそれ以外の民間団体又は個人に区分しそれぞれの条件等は以下によるものとする。
公共団体、公共的団体に譲渡する場合
2 公園等
- 譲渡の方法
- 譲与
- 譲渡の条件並びに修繕等への対応等
原則として施設の補修や修繕を行わず、施設以外の定着物、物品等においても現状で譲渡する。
譲渡する全ての物の引渡し後の維持管理の費用は当該団体の負担とする。
ただし、譲渡時の団体との協議により、不要となる施設や破損等で使用ができない遊具、その他物品等については、引渡し前までに市の負担で撤去するものとする。
7 民生関連施設、9 診療施設、10 産業関連施設
- 譲渡の方法
- 譲与
- 譲渡の条件並びに修繕等への対応等
原則として施設の補修や修繕を行わず、施設以外の定着物、物品等においても現状で譲渡する。
譲渡する全ての物の引渡し後の維持管理の費用は当該団体の負担とする。
11 会館等
- 譲渡の方法
- 譲与
- 譲渡の条件並びに修繕等への対応等
原則として現在の機能を確保するために必要と認められる施設並びに物品等の修繕は、市の負担で行うものとし、その他施設以外の定着物、物品等については、現状で譲渡する。
譲渡する全ての物の引渡し後の維持管理の費用は当該団体の負担とする。
12 教育関連施設、14 保健体育施設、16 その他の施設
- 譲渡の方法
- 譲与
- 譲渡の条件並びに修繕等への対応等
原則として現在の機能を確保するために必要な施設並びに物品等の修繕は、市の負担で行うものとし、その他定着物を含み全てを譲渡する。
譲渡する全ての物の引渡し後の維持管理の費用は当該団体の負担とする。
- 注釈
- 各小見出中の数字は、分類番号です。
公共団体、公共的団体以外の民間団体又は個人に譲渡する場合(原則として、財務規則第142条第3項の規定による随意契約の締結が可能な場合に限る)
公共団体、公共的団体以外の民間団体又は個人に譲渡する場合
- 譲渡の方法
- 有償譲渡
- 譲渡の条件並びに修繕等への対応等
- 原則として施設の補修や修繕を行わず、施設以外の定着物、物品等においても現状で譲渡し、譲渡する全ての物の引渡し後の維持管理の費用は当該団体又個人の負担とする。
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- 譲渡の対象
土地、建物、建物以外の定着物等及び物品とする。
- 所有権移転登記等
所有権移転登記等に要する費用は、原則として当該団体又は個人の負担とする。ただし、当該団体が地縁による団体等の場合は、佐渡市補助金等交付規則の規定により、次のとおり交付することができるものとする。
名称 施設譲渡事務交付金 目的 公共施設見直し指針に基づく、施設整理をより効率的に進めることを目的とする。 負担額 支払い実費額の全額とする。 事業の内容 施設譲渡に関し発生する所有権移転登記手数料、不動産取得税及び登録免許税の支払い実費額の全額を交付するものとする。 また、引渡しに係る境界の確認等の測量業務にかかる費用については、市の負担とする。
- 指定用途及び期限
当該施設の目的に合った用途を指定し、少なくとも3年間は使用するものとする。
ただし、補助金及び起債等による制限がある場合は、その制限と合わせるものとする。
借地返還について
基本的には、契約条項に沿った内容での返還を行うものとする。
ただし、契約以後の社会情勢の変化等で必ずしも、契約内容どおりとならない場合が想定されることから、返還協議にあたっては、事後に疑義等が生じることの無いようにすること。
処分施設の事務処理等について
譲渡する施設
管理所管において、譲渡するとした施設については、譲渡する団体又は個人との調整を行った後、条例の改廃や各種契約等の解除等の必要な手続きを済ませ、普通財産として防災管財課へ所管の変更を行うものとする。
防災管財課は、所管変更に係る事務手続きを確認し、当該団体又は個人と譲与又は売買契約を締結し、当該施設を引き渡すものとする。
処分にあたって、相手方が法人格等を有していない団体で、所有権の移転登記に支障がある場合については、当該団体と十分な協議を行うものとする。
また、引渡しに係る市の負担において行う修繕工事等については、原則として完了させて引き渡すものとする。ただし、当該工事等について、市が施工するより効率的と認められるときは、佐渡市補助金等交付規則の規定により下表のとおり交付金として、引渡し団体に対し当該修繕工事費相当額を交付することができるものとする。
交付金の名称等
- 名称
- 施設整備費交付金
- 目的
- 公共施設見直し指針に基づく、施設の整理をより効率的に進めることを目的とする。
- 負担額
- 公共施設の譲渡に関し、市の責任において修繕が必要と認めた経費の全額とする。
- 事業の内容
- 公共的団体等への施設譲渡にあたり、当該施設の機能確保のための工事について、本来、当市において施工すべきであるが、引渡し団体において施工することがより効率的と認められる場合に限り、交付金として引受け団体に交付し、一切の維持工事等の施工を委ねる。
廃止する施設
管理所管において、廃止するとした施設については、地域関係団体等との調整を行った後、条例等の改廃を含め廃止に係る事務手続きを行い、普通財産とし、防災管財課へ所管変更を行うものとする。
防災管財課は、所管変更に係る事務手続きを確認し、適正に処分するものとする。
物品等の扱い
譲渡団体等において不用となった物品等については、施設管理所管部等において有効利用を図るものとし、物品等の移動、所管換えの事務処理を行い適正な管理に努めること。
ただし、譲渡団体等に引き渡す物品等並びに施設管理所管部等においても不用となる物品等については、財務規則の規定に従い不用の決定を行うものとする。
作業の流れ
4〜7月 | 方針に沿った施設の見直し | 施設所管部 廃止条例を議会提案 |
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8月 | 地域、団体等との調整 | |
10月 | 施設処分方針の決定(翌年予算に反映) | |
12月 | 設置条例の廃止 | |
12月 | 普通財産として所管変更 | 防災管財課 公共的団体への譲与の場合は、契約締結の議会議決 |
1月 | 処分方法の検討 | |
2月 | 契約(随意契約・一般競争入札) | |
3月 | 引渡し、登記 |
- 注釈
- 公共的団体に譲与する場合は、財産処分について条例規定がないため、議会議決や地縁団体設立準備等に期間を要するので、必ずしもこの流れとならないので、準備が整い次第に事務を進めるものとする。