概要
平成26年1月29日(水曜日)、業務改善実践事例発表会「第4回おしごと改善グランプリ」を開催しました。
開催にあっては、若手職員12名で構成する実行委員会が発表会の企画立案・運営を行いました。
事例発表
平成25年6月から11月までに28部署で取り組んだ41事例の中から実行委員会が選んだ5事例を各グループが発表しました。
また、今年の実行委員による新たな取り組みとして、「改善のタネ」と名付け、ちょっとしたアイディアで業務上の不便さ・二度手間・わかりにくさなどの「苦」を「楽」にするために、改善のタネを職員全員にまいて、サービス向上に役立てようと募集しました。
各テーマごとの優秀事例は下記のとおりです。
優秀事例
- 仕事のムダ、こうして省こう!
- 嘱託員文書の棚入れ代行
- 嘱託員文書は各担当課で支所及びサービスセンターへ出向き、棚入れを行っていたものを、各支所及びサービスセンターの担当者で棚入れを行なうことにしたことで、本庁職員の時間と燃料費が節約となった。
- 明日から使える!パソコンの便利ワザ
- ファイル名の工夫でファイル探しのスピードアップ
ファイルの先頭に頭文字の半角英字を付けることで、ファイルを探す際にフォルダを開いた状態で、その半角英字を押せば、そのファイルにジャンプできるため、早く目的のファイルにたどりつくことが可能となる。
(例:「請求書@@@委託料_20130930」の場合、ファイル名を「s請求書@@@委託料_20130930」とすることで、「s」を押せば、このファイルがどこにあるか見つけることが可能となる)
- 整理整頓:収納・片付けから掃除のアイディアまで
- 会議資料のPDF化
- 紙ベースでもらった会議資料はコピー機等でPDFに変換することで、会議に参加した方にデータで資料配布することが可能となり便利で、机もかさばらない。
- 情報の共有化
- ネットワーク共有フォルダの活用
- 地域振興課に依頼し、ネットワーク上に同じ係員全てが使用できる共有フォルダを作成してもらい、データは全てここに保存、更新するようにすれば担当者不在の際も他の人がデータを閲覧できて便利。
業務改善運動の最優秀事例としては、グランプリの決定を参加者による投票で行い、その結果、羽茂支所の業務改善グループ「いつやるの?毎週だぜ!」で「支所職員研修の開催」の取組がグランプリに選ばれました。
グランプリ
- 支所職員研修の開催
いつやるの?毎週だぜ!(羽茂支所)
優秀事例
- 統計手引きのスリム化
とうけい(地域振興課) - 障がい福祉施設への積極的な業務委託
障がい福祉係(社会福祉課) - 報告書用データの一元化
アダチミクス(市民生活課) - グループウェア回覧板による電話発信記録の情報共有
市民課地域支援係(両津支所)

グランプリに選ばれた発表の様子

表彰の様子

記念撮影(市長、発表者、実行委員)
グランプリ
- テーマ
- 支所職員研修の開催
- グループ名
- いつやるの?毎週でしょ!
- 所属
- 羽茂支所
課題
多くの事業がある中で、担当以外の事業内容の細部を把握することはとても困難な状況。
昨年度発表を行なった「羽茂支所独自お知らせ版」も活用しつつ、さらなる市民サービス向上、職員のスキルアップを目的として、一線を越えた実践を計画し実施する必要があると考えられる。
取組内容や成果
職員を講師とし、内容は市民に直接関わる内容をテーマにした支所職員研修を開催した。(15回開催)
テーマは、死亡届の受理方法等から観光情報や災害知識について等があった。
第1回 | 7月3日(水曜日) | 「佐渡市緊急情報通信施設(緊急放送等)について」 |
---|---|---|
第2回 | 7月10日(水曜日) | 「死亡届の受理方法等について(日直時)」 |
第3回 | 7月24日(水曜日) | 「介護保険の申請について」 |
第4回 | 7月31日(水曜日) | 「知っておくと役に立つ観光情報と災害知識」 |
第5回 | 8月7日(水曜日) | 「自分の家の漏水対策と水道の警報連絡体制」 |
第6回 | 8月21日(水曜日) | 「公共土木施設の災害発生から復旧まで」 |
第7回 | 8月28日(水曜日) | 「国営外山ダム水系について」 |
第8回 | 9月4日(水曜日) | 「佐渡市デジタル防災行政無線について」 |
第9回 | 9月11日(水曜日) | 「環境衛生関係の日直時の対応について」 |
第10回 | 9月18日(水曜日) | 「地域での見守りについて」 |
第11回 | 9月25日(水曜日) | 「健診結果の見方 自分のからだを知ろう」 |
第12回 | 10月2日(水曜日) | 「誰でもできる事務 農業委員会編」 |
第13回 | 10月9日(水曜日) | 「下水道あれこれ 下水道が使用できるまでの手続き編」 |
第14回 | 10月16日(水曜日) | 「建設係業務の問い合わせ等に関する対応」 |
第15回 | 11月1日(金曜日) | 「業務改善運動検証および将来ビジョン等」 |
成果としては、取り組みにより、たらい回し等を抑制することで、お客様を待たせることが無くなり、円滑に対応することが可能となり、職員一人ひとりの質の向上にも繋がった。

職員研修(緊急情報システム)開催の様子

職員研修(水道監視警報機の連絡体制等)開催の様子
優秀事例
優秀事例 1
- テーマ
- 統計手引きのスリム化
- グループ名
- とうけい
- 所属
- 地域振興課
課題
- 個人情報保護意識の高まり等により、調査自体に非協力的になっており、年々統計調査員を引き受けてくれる方が減少している。
- 調査員が高齢化しており、調査主旨等を理解してもらいづらくなっており、精度の低下が懸念される。
- 高齢者の一人暮らしや記入拒否の世帯が増加しており、調査票の取集が困難となっている。
取組内容や成果

発表の様子
調査員に調査方法等を説明する事務打合せ会を開催しているが、各省庁が作成した「調査の手引き」のほかに、独自にポイントをまとめた資料を作成し、理解してもらえるような創意工夫を凝らした。
また、わかりやすい打合せ会にするため、事前にシナリオを作成し、知識のない職員に対してリハーサルを行い、こうした方がよいという意見をもらい修正した。
打合せの時間も集中できる2〜3時間内程度と心掛けた。
成果としては、調査員に重要なポイントを確実に伝えることが可能となり、打合せ会の時間短縮も図れた。また、重要なポイントがまとめられているため、調査員からもわかりやすいと好評であった。
- 図版:ポイントを明記した手引き
優秀事例 2
- テーマ
- 障がい福祉施設への積極的な業務委託
- グループ名
- 障がい福祉係
- 所属
- 社会福祉課
課題
職員が取り組むべき業務に専念することができるよう、簡易な業務等については障がい福祉施設に業務委託し、業務効率向上及び経費削減並びに障がい福祉の向上を図る必要がある。
取組内容や成果
障がい福祉施設に委託可能な業務の調査を実施し、地域振興課及び環境対策課にも協力を依頼し、使用予定のないパソコン等については、障害福祉施設に有価物として売却することとした。
また、小型家電回収事業実施にあたっては、障害福祉施設に事業委託するよう進めた。
成果として、通常一般より質の高いサービス提供が可能となり、当該業務に係る予算の削減が可能となった。

発表の様子
優秀事例 3
- テーマ
- 報告書用データの一元化
- グループ名
- アダチミクス
- 所属
- 市民生活課
課題
年度末に保健師活動報告、地域保健事業報告、母子保健事業報告等の報告ものが集中し、残業で対応する状況となっている。また、報告物は似たような集計を求められているものもあるが、報告数をきちんと押さえていないことから、報告数に漏れが生じており、数値が不明確となっている。
取組内容や成果
集計表を工夫することで、報告物が1つの集計で対応できるエクセル表を作成し、月報方式をとり、翌月の15日までに集計をまとめ、回覧し報告することとした。
成果としては、日々での記録により、数値もれが少なく、また複数職員が回覧により確認することによって、正確な数値の把握が可能となった。
集計表を作成したことで、年度末集計が簡易となり、時間外も減少した。

発表の様子

一元化された報告書用エクセル
優秀事例 4
- テーマ
- グループウェア回覧板による電話発信記録の情報共有
- グループ名
- 市民課地域支援係
- 所属
- 両津支所
課題
市民に電話をしたが、不在でつながらず、着信履歴により市民から両津支所に折り返しの電話があっても、誰がかけたのか不明のため、結果として市民に迷惑をかけることになっていた。
取組内容や成果
- 両津支所の電話回線が市民課と産業建設課で10回線あり、空き回線で電話がつながっているため、市民課と産業建設課で回線を分ける。
- 市民にかけてつながらない場合は、情報系システムの回覧板のコメント欄に「どこの誰に」電話をかけたのかを記入する。つながった場合は、コメント欄を随時削除する。
成果として、不在等でつながらなかった市民から、折り返しの電話があった場合に、回覧板のコメント欄を確認し、電話をかけた職員に繋ぐことができ、スムーズな取次が可能となったことで、改めて電話をかけることが少なくなり、業務効率が上がるとともに、市民サービスも向上にも繋がった。

具体的な回覧板への書き込みイメージ

発表の様子
参加者アンケート
業務改善事例の発表は参考になりましたか。

回答 | 回答数 | 構成比 |
---|---|---|
大変参考になった | 39 | 48.8% |
参考になった | 40 | 50.0% |
あまり参考にならなかった | 0 | 0.0% |
参考にならなかった | 0 | 0.0% |
未回答 | 1 | 1.3% |
合計 | 80 | 100.0% |
本日の発表会及び業務改善運動にご意見等ありましたら記入してください。
全体への意見
- 今年の発表は、全てのチームが卓越したレベルだと思いました。
- 問題・課題への着眼点、プレゼンの工夫。発表会の企画・運営。全て素晴らしいと思います。回を重ねるごとにより良くなっていくでしょう。是非、継続してください。どれに投票するか、本当に悩みました。
- 身近なところに改善できる事柄がある中で、各課・各支所ともにいろいろな取組をしていることが大変参考になりました。
- 各課にて様々な工夫を行い業務の改善、効率化を図っていると思いました。今回の発表に合わせ、プレゼン能力も養われ、皆さん素晴らしいと思いました。当係も改善点を見つけて効率化を図りたいと思います。
- 本日の事例はどれも参考になった。この中から自分でもできることを少しずつやっていきたいと思う。
- もう一度、視線を変えて今の仕事をみるようにしたいと思いました。
- イベントとして精度の高い内容となっており、大変楽しく、わかり易いものでした。職種が違っても市民からは同じ佐渡市の職員であり、その対応の差があってはならないと再認識させられました。仕事のやり方は常に創意工夫でどうにでもなるものだと実感しました。現状に満足する事なく、自分の係でも常に改善できる所はないかを考えていきたい。
- 意欲的な取り組みを若い職員が積極的に取り組む姿勢に明るい佐渡市の未来を感じました。今後も共に頑張りましょう。
- 事例発表の改善事例について、他の部署に取り入れて、今後業務に生かすことが大事である。
- 改善のタネの事例も含め、できることから早速実行したい。
- 発表会に初めて参加しましたが、業務改善に向けて、更に多い職員にこのような発表会に参加させる機会を設けてほしいと思いました。
地域振興課の発表に対する意見
- 市民サービスに繋がる改善事例であった。
- 職員一人ひとりが、日々の小さな改善を積み重ねていくことで、庁内全体での大きな業務改善が達成できるのではないか。統計チーム素晴らしかったです。
- 統計調査の分厚いマニュアルを簡素化して調査員にわかり易いテキストを作成した内容は、とても良かったです。
社会福祉課の発表に対する意見
- 新しいプレゼン方法であり、コスト削減した(2人で対応)発表は、良かった。
- 作業所改善にも繋がるしエコと資源活用になりとても良かったです。
- 障害者施設への廃棄パソコンの確保については、かつて(平成12〜13年頃)森首相の頃にIT国家で全国にパソコンを無償で配布した事業があったと思います。捜せば各教育事務所にあるのではないかと思います。
市民生活課の発表に対する意見
- 具体的な業務改善がみられ、5人がチームワーク良く発表していた。
- 調査物の多さと復命書の大変さは、他部署でも共通する悩みであり、とても参考になりました。
両津支所の発表に対する意見
- 電話のシステムに問題があることを初めて認識した。
- アイディアが非常に良く、他の部署でも同じ事例があるので参考にしたい。
羽茂支所の発表に対する意見
- おしごと改善グランプリのための改善でなく、改善に要した取り組み時間や内容時間についても良かったです。
- 研修内容の目のつけどころは参考になったし、発表方法や内容についても昨年よりさらにパワーアップしていた。
- 常に前を見すえ、職員のスキルアップを図る姿勢は素晴しいと思います。我々の職場も見習い職員のスキルアップに努めたい。
- 全国大会でも頑張ってください。
実行委員に対する意見
- 実行委員会の皆様、忙しい中、大変お疲れ様でした。この発表会を行うことで一人でも多く、少しでも意識の改善に繋がっていると思います。
- 若い職員が自ら考え、企画・運営する姿勢が、とても素晴らしかったです。今後も期待してします。
- 過去3回拝見していますが、毎年クオリティがUPしています。発表の演出は勿論のこと、応援メッセージや司会演出など単に発表するという事以外にユーモアも折り込んでおり、とても聴きやすかったです。毎年ここまで質の向上が図られると翌年の発表がどうなるか楽しみです。日々の業務で取り入れ可能なもの、参考になる事例も多数でとても参考になりました。委員の皆様、お疲れ様でした。
- 渡邉さん、松本さん、お二人の司会は、初めてとは思えないほど楽しく盛り上げてくれました。
- 司会のお二人が、明るく楽しく良かったです。是非来年もお願いしたいと思いました。
その他意見
- 成果・効果が数値等で表わせたら、より具現化・拡散すると思います。
- 開催前に過去の優秀賞の発表動画も観たかったです。
- もっと多くの改善事例を発表してほしかった。
- 提案部門と実践部門を1年おきに開催してみてはどうか。
- 発表会の開催を4年に一度、オリンピックの年に開催してはどうか。
- すぐにでも取り組める事例があったため、全部署にマニュアル配布を希望します。